大学卒業資格や教員免許も取得できる北海道情報大学の通信教育
学科の紹介

教員メッセージ

経営情報学部 先端経営学科

教授 向原 強

▼ 担当科目
  • 経営情報システム
  • 定量分析とその応用
  • 経営科学

入学希望のみなさまへ

~ 経験と勘の呪縛からの脱却 ~

皆さんは,野球を見ますか?どうしても1点が欲しいとき,ノーアウトランナー1塁の場面で,送りバントという作戦をとることが多いことは,よく知られています。いわゆるそれが,セオリーと呼ばれるものだからです。

しかし,得点できる確率は,ほとんど変わらず,期待得点(その作戦をとったときに平均して何点入るか)はむしろ下がるという統計があるのはご存じでしょうか?これは送りバントできる確率が100%ではない(プロ野球でも7割程度)のに加えて,送りバントはアウトカウントを一つ増やすことが原因です。日本の野球でセオリーと言われることが,確率を考えると必ずしも正しくない一つの事例です。亡くなった野村克也さんは,ヤクルト監督時代,ID野球(データ重視野球)をかかげ,ヤクルトを強いチームに育て上げました。また,米国オークランドアスレティックスというメジャーリーグチームがセイバーメトリクス(野球統計学)を活用して,低予算で強いチームを作り上げたというストーリーが「マネーボール」という映画で話題になりました。このセイバーメトリクスは,現在では日本のプロ野球チームの編成にも大きな影響を与えています。いずれの事例も,それまでの経験と勘に頼らない科学的手法の導入が大きな特徴になっています。

これは野球だけの話ではありません。それまで培ってきた人間の経験や勘にもとづいて作られてきたセオリーを疑うことは,とても大切なことなのです。AIが人間の知識を凌駕し,時として,将棋の名人にも勝つことができるようになったということも聞いたことがあるのではないかと思います。これも,経験や勘に基づいた手にとらわれず,より効果的な手の探索をAIがするからに他なりません。

私の担当する「定量分析とその応用」や「経営科学」は,人間の経験や勘に基づいた意思決定から脱却するための科学的アプローチとして共通しています。前者は統計学,後者は数学モデルという道具を使うという違いがあるだけです。もう一つの「経営情報システム」は,コンピュータを企業経営において,どのように活用するかが主たるテーマの学問でありますが,この分野においても,経営者による経験や勘に基づいた意思決定から脱却ということが重要なテーマとなっています。ビッグデータやIoTの活用は,まさにそれがテーマになのです。

常識を疑い,経験や勘の呪縛から脱却できるようになるためには,科学的アプローチを活用するための基礎能力が不可欠です。ここで,そのような学習をしてみませんか?

学位

博士(経営学) 北海道大学

地域協力・産学連携など

EUC による情報活用技法教育,数理モデルを利用した問題解決支援,統計解析

専門及び研究分野

数理モデルを活用する意思決定問題を対象とした問題記述環境の構築

主たる研究業績

著書:
  • [1] 向原強(分担) [2014] 「第12章 意思決定を支援する応用ソフトウェア」,宮川公男編著『経営情報システム第4版』,中央経済社.pp.231-248(2014年3月)
論文:
  • [1] Mukohara, T. [1999] (単著)“A Method for Invoking Solvers from Non-Mathematical Problem Specifications,” Proceedings of the 15th National Conference of the Australian Society for Operations Research, pp.884-897(1999年7月)
  • [2] Mukohara, T., and Sekiguchi, Y. [2002] (共著)“The DSS Architecture Based on on-Mathematical Problems Specification and Model/Solver Independence”, In E. Kozan and A. Ohuchi (eds.): Operations Research/Management Science at Work Applying Theory in the Area Pacific Region, (Kluwer Academic Publishers), pp.281-298.(2002年3月)[査読付き論文]
  • [3] 向原強 [2004] (単著)「シミュレーションと最適化モデルの統合環境」,北海道情報大学紀要,15巻2号, pp.73-96 (2004年3月)
  • [4] 向原強,関口恭毅,鮑金源(共著) [2005] 「実体-関連概念の拡張によるスケジューリング問題記述の特徴と応用」,日本オペレーションズ・リサーチ学会和文論文誌,48巻 pp.66-84.(2005年12月)[査読付き論文]
  • [5] 向原強 (単著)[2008] 「問題定義の支援を起点とするモデル化環境の実現可能性に関する研究」,博士学位論文(北海道大学)(2008年1月)
  • [6] 向原強(単著) [2008] 「結合情報を利用した標準モデル構築アプローチの有効性に関する一考察」,経済学研究(北海道大学),57巻4号,pp. 181-192. (2008年3月)
  • [7] 向原強(単著) [2008] 「XMLを利用した問題記述環境の一提案」,経営情報学会誌,17巻1号,pp.51-68.(2008年6月)[査読付き論文]
  • [8] 藤本直樹,向原強(共著)[2017]「統合型GIS導入率と自治体属性との関係に関する統計分析」,北海道情報大学紀要,28巻2号,pp.1-11. (2017年3月)
  • [9] 向原強,藤本直樹(共著)[2017]「メッシュ統計を活用した買い物弱者人口の簡易推計モデルの提案」,日本情報経営学会誌,37巻3号掲載予定,(2017年)[査読付き論文]
  • [10] 向原強,藤本直樹(共著)[2018]「GISを活用した北海道石狩地方における道路距離と直線距離の関係に関する地理的分析」,北海道情報大学紀要,29巻2号,pp.1-10. (2018年3月)

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