入学希望のみなさまへ
~ 経営学の魅力 教員からのエール ~
2012年1月19日、映像のデジタル化の流れの中で、約130年の歴史を誇る名門企業、イーストマン・コダックは、米連邦破産法11条の適用を申請し、事実上、経営破綻に追い込まれました。ここから読み取れることは、どんなに優れた経営資源を有していても、環境の変化に対応できなければ、その経済的価値を失ってしまうという事実です。その一方で、富士フイルムホールディングスは、これまでの写真フイルム事業の中で培ってきた、20マイクロメートル単位の多層膜塗布技術を活用して、化粧品や医薬品事業への多角化を推進しています。両社の明暗を分けたのは、経営者のマネジメントの違いにほかなりません。
こんにち、世界は驚くべきスピードで動いているため、マーケットにおいて、一度、経営判断を誤ってしまうと、挽回するのが困難な状況となっています。こうした環境で、いまほど、経営者の役割が重要な時代はありません。経営学は、経営者に、組織を成長に導いてくれる意思決定のためのマイルストーンを提供してくれます。経営学を学ぶことをとおして、わたしたちは、過去の経営者の経験から得られた叡智を、自分のものとして共有することが可能となるのです。
経営学とほかの学問領域の違いの1つとして、いわゆる社会人を経験してから当該学問を学ぶと、理解が深まるという点があげられます。また、うまく機能している組織に身を置いているよりも、そうでない環境で働いている場合に、その中から、より多くの知見に気づくものです。すなわち、組織に改善の余地が多分にあるとき、経営学の知識は、その解決策を提示してくれるのです。
経営学の学問体系は、これまでの経営者が、自らの組織を機能的に運営するために獲得してきた知識の集積であり、わたしたちは、それらを活用することをとおして、それまでよりも円滑に、組織をその目標に向かって運営していくことが可能となるのです。さらに、それが活かされるのは、ビジネス領域のみに限られるものではありません。2人以上の人間からなる組織において、人間にモチベーションを与え、人間として、社会で生き抜く手法をも提供してくれるのです。
経営学を修得することをとおして、みなさんが社会で生き抜いていくための“パワー”が身につくのです。より賢く仕事をこなしていくためにはどうすればよいのか、さらには、よりよく人生を生き抜いていくためにはどうすればよいのか。そうした観点から、経営学を学んでみませんか。